連珠 第57期名人戦五番勝負を中継する

はじめに

2016年2月に「ねこまど将棋チャンネル」を立ち上げ、以来、一貫しているのは「楽しいかどうかを基準にしよう」ということである。そして、毎回、小さくても良いので新しいチャレンジをするようにしている。
今回の連珠 名人戦の中継では今まで経験のしたことのない事態が待ち受けているのだが、始まる前は、「まあ何とかなるだろう」ぐらいにしか考えていなかった。実際、やってみないと分からないことが多い。

当初、第1局だけ放送するつもりだったが、他からの放送が無いと聞き第3局、そして、第4局も放送することとなった。第3局、第4局は連日であり、かつ場所も違うため体力的にきついかと思ったが、機材類を岡部九段の車に載せてもらい持ち帰る・持ってくるの動作が不要となり助かった。
・中継ビデオカメラ 4台
・中継PC 2台
・天カメ用キット セット
・三脚 1組
・HDMIキャプチャーカード 2個
・HDMIスイッチャー 1個
・大量のケーブル類
・その他、予備機材

問題点 – 備忘録として

天カメ関連

・対局者の邪魔にならないようにポールを高くするために、継ぎ足しをしているが、この継ぎ足し部分がたわむ
・バー(横)の長さがちょっと足りない。少し足せばよいが、ポール同様にたわむことが予想される。
・長時間に耐えうるか問題。今回はなんとかなった。

配信関連

・今回は対局会場と解説会場が物理的に遠く、対局会場の映像に直接的に解説の声を乗せて配信することができない。そのため、いわゆるミラーリングで放送した。対局会場の様子は配信し、それを1台のPCで受信し且つ解説を乗せて配信するという方法である。解説を乗せる側は、下りと上りを同時にこなさなければならず、やっぱり無理があった。今回 wifi を2つ用意したが、もし同様の環境でやるなら、wifi を3つ用意したほうが良い。最終日の午後は完全に電波が入らない部屋だったので、対局場だけの生映像を流した。ただ、結果として生映像の評判は良かったように思う。
・wifi は au wimax2+ と softbank を利用した。au wimax2+ の電波の弱さ、上りの弱さに泣かされた。放送が途切れ途切れになってしまったのは反省。softbank の調子は良かった。
・第3局の午後、YouTube Live がスマホブラウザやスマホツイッターインブラウザから閲覧ができなくなった。原因不明。スマホアプリであれば閲覧できる。
・ミラーリングとしてfacebook live を利用したが、長さ制限8時間というのを知らなかった。第1局目、17時ぐらいに一度切れてしまい、接続しなおした。
・結論:不十分なネット環境でのライブ配信はヒヤヒヤする。

場所

・江東区文化センター、練馬生涯学習センター、石神井公園。どれも横浜から遠い!
・検討室・解説会場が点々とするため、機材をもって移動・・辛い。

解説

・解説役が中山八段だけというのは、負担が大きすぎでは・・
・なお、聞き手・盤操作として @mcmaruyama を酷使するのは構いません

YouTube

・Live は遅延などなく配信できたと思いますが、アーカイブに凄まじい音ズレが・・・ローカル側で対策できるのだろうか・・不明だ。

頑張ったこと

・連珠はマイナー競技である。五目並べを楽しんだことがある人は多いかもしれないが、競技として取り組む人口は少ないだろう。すなわち、注目度も高くない。それを何とかして少しでも興味を持ってもらいたいと思い PV を作成しました。
タイトル戦 PVといえば、ニコニコ生放送だろう。私も大いに感動してきた。なので、私なりに作ってみた。素材は少ないし、使える楽曲はフリーのものだけなので苦労した。でも対局者含め、連珠関係者がみなさん協力してくれて、楽しいものができあがったと思います。
・1日目を終えて、対局者の様子をもっと分かりたいと思い、機材を追加しました。映像をスイッチングしながら放送することができないため、四分割のままで流しました。対局者の二人には撮影がプレッシャーになっていたかもしれませんが、連珠普及のために容赦いただければと思います。
・表紙を作った。これもニコ生インスパイアです。

・時間との闘い。特に設営時間です。会場が9時にオープンし、放送が10時。その間に対局室と解説室の2か所のセッティングをしなければならない。天カメの調整にも時間がかかる。そもそも全ての機材を取り出し、電源、HDMI、USB と大量のケーブル類を接続するだけで、相当な時間が必要となる。しかも、電波の入りが良い場所を探して、wifi ルータを置くのも重要。事前のテクニカルリハーサルが無く放送しなければならないのは大変だった。

Live Production

live production

両対局者の撮影は、実は Surface 背面のインカメラにて行っていました。機材を一つ減らせるのはリスクヘッジにつながります。

ボードゲームの面白さとは?

私自身は連珠は頭の体操程度でしかプレイしないので奥深さまでは分からない。将棋との共通点を探して楽しんだりしている。@mcmaruyama の方は今や関東屈指のプレイヤーになりつつあり、有段者にも一発入れられる実力を備えるまでになった。どのような点が面白いのかというのは人それぞれだ。だからこそ、いろいろな人が、いろいろな視点で見て、その人なりの楽しみができるように情報を提供していくことが大切だと思っている。今回、解説の仕方については、私からは特に口出しすることは無かったが、やはり、名人戦での戦いは非常に高度で専門家が専門家向けに解説するような内容が多かったようにも思う。連珠未経験者にも何らかのとっかかりができるような内容を今後考えてみたい。

連珠はプロ制度がないものの、競技にかける思いは強い。生活の糧を別で得ながら、自由な時間とお金を連珠に費やし、自らのレベルを上げ、時には地方や海外にまで大会に出たり普及活動をしたりしている。なお、中国の連珠のレベルは相当に高いらしい。

タイトル戦を含む公式戦に真剣に取り組む様子は、プロアマ関係が無い。盤がそこにあれば、自らの全てを掛けて勝ちに行くのがボードゲームである。魅力を伝えるには、プレイヤーの鬼気迫る表情、悩める仕草、笑顔、最後に訪れる清涼感が必要だろう。写真や文字でも伝えられるが、脚色のない映像というのも有効な手段だ。

Last 10 minutes

シリーズが終わるとき、最後の瞬間にすべてが凝縮される。
連珠を知らない、分からないという人であっても、何かを感じてもらえるかもしれないと思い、6時間超に及ぶ対局を「最後の10分+インタビュー」に編集した動画を作りました。第57期名人戦五番勝負の最後のシーンとして記憶して欲しいと思います。

In the last 10 minutes : 連珠 第58期名人戦五番勝負 最後の10分間

ねこまど将棋チャンネルの未来

「将棋チャンネル」なのに「連珠」の放送を続けざまに行い、もしかしたらチャンネルから離れて行ってしまったユーザーもいるかもしれない。成り行きでこうなってしまったのだけれども、今回のブランディングの混乱を反省し、2020年からはネーミングを変えようと局長、運営、司会の3人で思案しています。将棋を外すのはほぼ確定です。というのも、「ねこまど将棋教室」の YouTube チャンネルができ、ちゃんとした将棋の講師が将棋の内容について動画をアップしているので、こちらの活動が本業の彼らに悪影響を及ぼしてはいけない。向こうはプロで、こっちはアマチュアなのである。ただし、ねこまどが拠点であることには変わりないので、「ねこまど」は何らかの形で残したいと思っています。いや、もしかしたら「いっぷく」になるかもしれない(笑)。

なお、完璧じゃなくても良いのなら配信依頼、撮影・編集依頼を受け付けています。(事前確認や十分な設営時間さえあれば完成度を高めることができます。)
ちなみに、連珠名人戦の放映権(こっちが払う)は1局750万円のため、出世払いにしてもらっています。1000万人が見てくれれば元を取れる計算です(無理)。

さいごに

連珠はアマチュアプレイヤーによるアマチュア競技ですから、やはり周囲が協力しなければならないと実感しました。当チャンネルも引き続き連珠、連珠家の皆さんを応援したいと思っています。

今回、伝統ある連珠 名人戦に、「ねこまど」の爪痕を少し残すことができました。
個人的には中継に神経を使い、対局をフルに楽しめたわけではないのですが、間近に見た真剣勝負の光景は忘れることがないであろう素晴らしい体験でした。

各方面に感謝です。

(@totheworld)

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